身体の不調を改善するならアウタートレーニング?インナートレーニング?
更新日:2025年08月30日
30代・40代になると、以前より疲れが取れにくくなったり、肩こりや腰痛が慢性化したりと「なんとなく不調」を感じる方が増えてきます。
「運動不足かも」と思い立ち、ジムに通って筋トレを始めたり、ヨガやストレッチを生活に取り入れたりする方も少なくありません。
その際によく耳にするのが「アウターマッスル」と「インナーマッスル」という言葉です。
果たして、不調の改善にはどちらを優先すべきなのでしょうか。
アウターマッスルとは?

「アウターマッスル」とは、身体の表層にある大きな筋肉のことを指します。胸や腕、脚など、見た目に分かりやすい部分を覆っている筋肉で、力強い動作を担当します。
例えば、大胸筋や上腕二頭筋、大腿四頭筋や広背筋などが代表的です。これらは物を持ち上げる、走る、ジャンプするなど大きな動作のときに大活躍します。
アウターマッスルを鍛えると、体つきが引き締まり、外見的にも「運動している」「筋肉がある」という印象を持たれるようになります。そのためフィットネスの場では、まずこのアウターを意識する人が多いのも自然なことです。
しかし、肩こりや腰痛、姿勢の崩れなど「不調改善」を目的にする場合、アウターだけを強化しても思ったような成果を得られないことがあります。
インナーマッスルとは?

それに対して「インナーマッスル」とは、身体の深部にある小さな筋肉群です。腹横筋や多裂筋、横隔膜、骨盤底筋群などがその代表で、外からは見えにくい存在です。
インナーマッスルは、大きな力を出すことには向いていませんが、骨や関節を安定させる、正しい姿勢を保つ、内臓の働きを助けるなど、身体の土台を支える重要な役割を担っています。
特に現代人はデスクワークやスマホ使用によって長時間同じ姿勢をとりがちです。その結果、インナーマッスルが使われにくくなり、弱まりやすい傾向があります。すると、背骨や骨盤が不安定になり、肩や腰への負担が増して不調が生じやすくなるのです。
なぜアウターだけでは不調が改善しにくいのか?
「筋肉をつければ腰痛は治るはず」と考え、ジムで一生懸命トレーニングをしているのに、なかなか不調が改善しない…という声は少なくありません。
その理由はシンプルで、アウターマッスルは「動かす筋肉」であり、「支える筋肉」ではないからです。
土台を安定させるインナーマッスルが弱い状態でアウターマッスルばかり強化すると、力のバランスが崩れ、逆に身体に余計な負担をかけることもあります。
たとえるなら、基礎の弱い家に大きな家具ばかり置いているようなもの。見た目は立派でも、肝心の土台がグラグラしていては、長く安定して過ごすことはできません。
インナーマッスルが不調改善のカギを握る理由
不調を改善するためにインナーマッスルを優先すべき理由は大きく4つあります。
姿勢が安定する
インナーは背骨や骨盤を支え、正しい姿勢を維持します。姿勢が整うことで、肩や腰への余計な負担が減り、慢性的な痛みの改善につながります。
呼吸が深くなる
横隔膜をはじめとしたインナーマッスルが働くと、胸やお腹をしっかり使った深い呼吸ができるようになります。呼吸が整えば、自律神経のバランスも良くなり、疲れにくい身体に変わります。
内臓の働きをサポートする
骨盤底筋群や腹横筋が働くことで、内臓が正しい位置に保たれます。便秘やぽっこりお腹の改善にも効果的です。
動作がスムーズになる
インナーがしっかり支えていることで、アウターの力も効率的に発揮できます。結果として日常動作が軽く感じられ、運動のパフォーマンスも上がります。
このように、インナーマッスルは直接「大きな力」を出すわけではありませんが、身体を根本から整えるためには欠かせない存在なのです。
30代・40代にとってインナーが特に重要な理由
若い頃は筋力も柔軟性もあり、多少インナーが弱くても不調を感じにくいことがあります。
しかし、30代・40代になると次第に筋肉量が落ち、回復力も低下します。特にデスクワークや子育てなどで姿勢が崩れる生活習慣が続くと、インナーの衰えが目立ちやすくなります。
その結果、
- 慢性的な肩こり
- 腰の重だるさ
- 姿勢の崩れ(猫背や反り腰)
- 疲れが抜けない
といった悩みが増えるのです。
「体を鍛える=見える筋肉を鍛える」という発想だけでは、この年代特有の不調を根本から解消するのは難しいでしょう。インナーマッスルをしっかり意識してこそ、アウターのトレーニングも効果を発揮します。
不調改善にはインナートレーニングを優先すべき
ここまでお伝えしてきたように、アウターマッスルは見た目や力強い動きに欠かせない筋肉ですが、不調改善という観点からはインナーマッスルを優先的に鍛えることが重要です。
- アウターマッスル:動かす・見た目を整える
- インナーマッスル:支える・安定させる・不調を改善する
両方が必要であることは間違いありませんが、特に30代・40代の方で肩こりや腰痛、姿勢の乱れに悩んでいる場合は、まずインナーマッスルを整えることが大切です。
行徳エール鍼灸整骨院では、施術を通じて身体のバランスを整えるとともに、インナーを意識したセルフケアのアドバイスも行っています。
「ジムに通っているのに不調が改善しない」「運動しても疲れが取れない」という方は、一度ご相談ください。見えない部分から身体を整えることで、長年の悩みが軽くなる可能性があります。
まとめると
- アウターマッスルは「動かす筋肉」
- インナーマッスルは「支える筋肉」
- 不調改善にはインナーを優先することが重要
- 30代・40代は特にインナーの衰えによる不調が増える
- インナーを整えることで、姿勢・呼吸・内臓機能・動作が改善される
「筋肉をつければ健康になる」という単純な考えではなく、土台を整えるインナーに目を向けること。これが、長く快適に過ごすための第一歩です。